回復期の実習で悩んでいる看護学生の方
- 看護計画をどう立ててよいかわからない
- 看護の方向性がわからず、自信が持てない
看護学生のみなさん こんにちは
回復期病棟で勤務する現役看護師です
看護学生の指導をしていると「ちょっとしたコツ」をつかんだ瞬間に患者さんを理解できるようになることが多くあります
今回は実習指導者としての経験から
看護学生の方に向けて回復期看護のコツを解説します
記事の内容
回復期に必要な看護
1.転倒転落予防
2.健康管理指導
3.ADLアップ
4.自宅退院の準備
記事の信頼度
20年目の現役看護師で、回復期・急性期・慢性期で実習指導の経験があります
以下の診療科の経験を踏まえてお伝えします
読者の方へのメッセージ
看護には「ちょっとしたコツ」があります
今回は看護の中でも「回復期看護のコツ」についてお伝えしようと思います
「コツ」を知り、少しずつ学んで、経験することで必ず成長します
きっと素敵な看護師になると思うので頑張ってください
この記事の目標
「回復期看護のコツがわかる」です
それでは詳しく見ていきましょう
回復期に必要な看護
最初にお伝えすることは回復期病棟の看護はある程度、形が決まっています
それは「回復期病棟の特徴からくるもの」なので、まずは回復期の特徴から見ていきましょう
回復期リハビリテーションの特徴は以下の2つです
- ほとんどの疾患が脳血管障害と骨折
- 自宅退院を目指してリハビリをしている
まず最初の特徴として「ほとんどの疾患が脳血管障害と骨折」から必要な看護をみていきましょう
転倒転落予防
回復期病棟は転倒リスクが高い患者さんが多くいます
そのため転倒転落予防の計画はほとんどの患者さんに立案します
理由
- 麻痺や骨折があるためバランスを崩して転倒しやすくなります
- 高次脳機能障害(失語や病識低下)があるため単独行動がみられます
- 高齢者が多いため、加齢による体力・認知力低下がみられます
計画の内容
患者さんに合わせて転倒転落予防を計画しましょう
ナースコールの説明
転倒を予防する重要な看護がナースコールの説明です
ナースコールの説明は患者さんに合わせて行うのがコツです
- 記憶障害に対しては文字や絵を掲示する
- 高齢者には大きく見やすい文字
- 失語症に対してはSTに相談するのも有効
環境整備とトイレ誘導
転倒の多くはトイレに行こうとしたり、物を取ろうして車椅子やベッドから転倒・転落するケースがほとんどです。
①排泄パターンを把握してトイレ誘導を行っていきましょう
②患者さんの行動を予測した環境整備を行っていきましょう
健康管理指導
回復期の患者さんに健康管理指導は必須です
理由
- 脳血管障害の患者さん、とくに脳梗塞と脳出血は再発リスクが高い
- ベースに生活習慣病があることが多く、高血圧・糖尿病・肥満を持っている
計画の内容
患者さんに合わせた健康管理指導を計画しましょう
血圧管理(減塩食、排便コントロール、服薬が大切です)
糖尿病管理(血糖コントロールの状況・内服・インスリンの有無を確認しましょう)
健康管理指導のコツは患者さんの生活をしっかり情報収集することです
- 回復期では140/90mmHg以下でコントロールします
- 食事指導は病前の食生活や好みを聞いておきましょう
- 糖尿病管理はSMBG・インスリンの手技、低血糖時やシックデイの知識も確認しましょう
2つ目の特徴として「自宅退院を目指してリハビリをしている」から必要な看護を見ていきましょう
ADLのアップ
回復期では病前よりADLが低下した患者さんがほとんどです
そのため自宅退院を踏まえたADLアップの計画を立案します
理由
- 麻痺がある
- 高次脳機能障害がある
- 整形外科疾患の場合、免荷や安静制限の期間がある
計画の内容
リハビリを見学し、PT・OTなどセラピストから情報を得ながら計画立案していきましょう
「移乗」「移動」「食事」「更衣」「排泄」「入浴」
コツは動作を細かく分解してみることです。
細かく分解した動作のどこができないか確認しましょう。
今回は移乗について例を挙げてみます。
- 車椅子への移乗は「起き上がり」「端坐位保持」「靴履き」「立ち上がり」「方向転換」「座る」までの一連の動作です
- ベッドへの移乗は「車椅子の設置位置」「ブレーキ・フットレスト」「立ち上がり」「方向転換」「座る」「靴脱ぎ」「臥床」までの一連の動作です
ADLアップの看護については以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください
【回復期リハ看護 新人看護師必見!】安全にADLを拡大する方法を現役看護師が解説
新人看護師向けですが看護学生の皆さんにも役立つ内容です
最後に「自宅退院を目指す」回復期の特徴から必要な計画を見ていきましょう
自宅退院の準備
回復期病棟の患者さんは基本的に自宅退院を目指します
そのため自宅退院がスムーズにできるように計画を立案します
計画の内容
住宅改修や介護サービスの調整については主にSWが行いますが、看護師はADLや医療処置を中心とした情報提供を行います(介護支援連携・退院時共同指導で直接ケアマネージャーや訪問看護師へ情報提供を行うケースもあります)
介護指導が必要な場合はPT・OTとも共同しながら家族指導を行います
- ADL介助、食事・服薬・血圧管理等
自宅退院の準備については看護学生の皆さんが介入するには難しいと思いますが、一応紹介しておきます
もし挑戦したい学生の方がいたら、指導者や教員に相談してみてください
- 実際に指導した看護学生では、退院後にどんな介護サービスを使えるか知りたいという希望があった患者さんに、パンフレットを作成して「わかりやすい」と喜んでもらいました
まとめ
今回は「回復期看護のコツ」についてお伝えしてきました
今後も「回復期病棟で実習する看護学生の皆さんの役に立つ」記事を紹介していくので興味のある方は見てみてください
回復期実習のコツに関する記事
①事前学習のコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】事前学習のコツを実習指導者が解説
②行動計画のコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】行動計画のコツを実習指導者が解説
③情報収集のコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】情報収集のコツを実習指導者が解説
④コミュニケーションのコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】 コミュニケーションのコツを実習指導者が解説
⑤実習記録・看護過程のコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】実習記録・看護過程のコツを実習指導者が解説
⑥報告のコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】報告のコツを実習指導者が解説
⑦カンファレンスのコツ
【看護学生必見 回復期病棟実習】カンファレンスのコツを実習指導者が解説
⑧実習レポートのコツ
参考書・看護グッズに関する記事
実習におすすめの参考書とグッズ
実習が上手くいかない時に読んで欲しい記事
私も20年近く前は看護学生でした
実習は苦手というより、むしろ嫌いでした
実習の雰囲気も嫌いで教員も、指導者も、病棟のスタッフも怖かった印象しかありません
患者さんに対しても、いつもビクビクしていました
そんな実習が苦手な私でも看護師を続けることができています
できる範囲でよいので少しずつ頑張ってください
きっとうまくいきます。応援しています
最後まで読んで頂きありがとうございます
おとうさんナース
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