新人の方向けに夜勤の睡眠対策を解説します
- 夜勤前にほとんど眠れない方
- 仮眠中に緊張して眠れない方
そのような方へ、長年の看護師経験をもとに「夜勤の睡眠対策」をテーマにお伝えします
記事の内容
看護師の夜勤について
夜勤が心と体へ与える影響
夜勤の睡眠対策
- 食事
- 日中の活動
- 環境
- 勤務中の仮眠
- その他の有効な対策
読者の方へのメッセージ
新人看護師の皆さんは、夜勤前に不安で眠れなかったり、仮眠中も業務が気になって休めないことがあると思います
私も新人の頃は、夜勤前に不安になって眠れないことがよくありましたし、仮眠も緊張して眠れませんでした
もともと気にしやすい性格的なので眠れない傾向があるのですが、自分自身がいろいろ試して効果的だった夜勤の睡眠対策についてお伝えします
この記事の目標
新人看護師の皆さんが「夜勤前・仮眠中に睡眠をとれる」です
それでは詳しく見ていきましょう
看護師の夜勤について
日本看護協会は夜勤に関するガイドラインを公表しています。
- 「勤務間隔11時間以上」
- 「夜勤回数は3交代制で月8回以内」
といった改善目標を提示しています
夜勤のガイドラインを出すということは
- きつい夜勤体制の病院がある
- 看護師の負担が大きいから
といった理由があるからです
本来であれば人が寝る時間に働くのですから負担が大きいのは想像できます
では実際に夜勤が、私たちの心と体にどのような影響を与えるか見ていきましょう
夜勤が心と体に与える影響
まずは体への影響を見ていきましょう
夜勤が体へ与える影響
睡眠には脳と体をメンテナンスする大切な役割があります
その中心的な役割を担うのが「成長ホルモン」です
成長ホルモンの別名は「若返りホルモン」です
- 新陳代謝を促し、美肌効果
- 骨を丈夫にして、筋力アップ
- 脂肪燃焼を促進し、ダイエットにも効果
夜勤で睡眠が障害されると、この大切なホルモンの分泌が低下することになります
成長ホルモンの分泌の特徴
- 基本的に睡眠中に多く分泌される
- 遅くても深夜0時前に就寝すること
- 入眠最初の3-4時間の深い睡眠の時
大量に放出されることがわかっています
その他にも循環器疾患・内分泌疾患・生殖機能障害・免疫機能低下など身体機能が悪化するリスクがあります
次に心へ与える影響も見ていきましょう
夜勤が心へ与える影響
1.不眠や睡眠が極端に短すぎたり長すぎる人は
原因ははっきりしていませんが、うつ病になりやすいことがわかっています
2.65歳以上の高齢者を対象とした調査にはなりますが
不眠症状がある人は、ない人に比べてうつ病になる割合が3倍高いという結果が出ています
以上のことから夜勤は私たちの体だけでなく、心にも大きな負担を与えることがわかります
私たち看護師は当たり前のように夜勤が組まれています
本来は勤務先が夜勤をする看護師の心と体に与える悪影響に十分に配慮して、対策をとる必要があると思います
残念ながら、いくつかの病院で勤務してきましたが、そのような病院はありません
そのため私たち看護師は
- 自分の身を守るために
- 夜勤が心と体に与える影響を理解して
- 自分自身で対処する必要があります
ではどのようにして自分の身を守るか、夜勤の睡眠対策について見ていきましょう
夜勤の睡眠対策
睡眠対策は以下の5つに分けて紹介します
- 食事
- 日中の生活リズム
- 環境
- 夜勤中の仮眠
- その他の有効な対策
食事
食事は睡眠にとって大切です
とくにトリプトファン、グリシン、GABAの3つは快眠のためにとくに摂取してほしい成分です
下の睡眠の質を高める食材で詳しく紹介していますので興味のある方は見てみてください
1日3食、少なめの夕食を寝る(または仮眠)3時間前にとりましょう
睡眠の質を高める食材
1.乳製品・豆類や大豆製品・バナナ・アボガド・肉類(トリプトファン)
2.エビ・ホタテ・イカ・カニなどの魚介類(グリシン)
3.発芽玄米・胚芽米・雑穀・漬物・小魚・ココアやチョコレート(GABA)
控えた方がよい食材についてもお伝えします
控える食材・嗜好品
1.消化の悪いもの
2.カフェインは眠気を感じにくくさせるため、夕食後はNG
- コーヒー、カカオ、お茶(カフェインレスはOK)
3.タバコ・お酒は控えましょう
- ニコチンは覚醒効果が大きく、アルコールは浅い睡眠になります
日中の生活リズム
睡眠には生活リズムを整えることが重要です
2交代と3交代の場合や勤務時間も施設によって違うので、それぞれのパターンに合わせてみてください
朝日を浴びる
- 朝日を浴びると体内時計がリセットされて生活リズムが整います
適度な活動
- 料理、掃除、買い物など軽めの活動
眠る1-2時間前に入浴する
- 熱すぎるお湯は交感神経が優位になり目が覚めるので、40℃以下のお湯が理想です
夜のスマホは寝る1時間前にやめる
- 画面の光は脳を刺激して覚醒します
環境
寝室は睡眠のためだけの空間にして、眠り易さを第一にすることをお勧めします
勤務中の仮眠については別にお伝えします
寝室は暗く・静かに
- 光と音は睡眠の質と寝つきに大きく影響します
室温を16-26℃、湿度50%前後
- 温度と湿度は睡眠の質に大きく影響します
- 体は睡眠時に体温が下がるため、体温変化がスムーズにできることが大切です
自分に合う枕とマットレス
- 枕もマットレスも寝返りのしやすさと寝姿勢の安定性が重要です。
- マットレスは高反発の方が寝返りがしやすく、腰にも負担がかかりにくいです。
今回は私自身も5年前から使っている高反発のマットレスと枕を紹介します
寝具は実際に使ってみないと自分に合うかわからないので、この商品は90日間返金保証なので試してみても良いと思います
興味のある方は見てみてください
高反発まくらモットン
夜勤中の仮眠
様々な病院と病棟で夜勤の経験がありますが
- 2時間休憩とれるところもあれば
- ナースコールも出ながら休憩する
- 仮眠室はない
- 休憩室で狭いソファーで仮眠をとる
病院や施設によって状況を様々でした
大切なことは休憩時間、仮眠室の有無など状況が違っても、状況に合わせてできる限り体を休めることです
夜勤中の仮眠の効果について以下にお伝えします
仮眠の効果(日本看護協会ホームページより)
夜勤中に1時間の睡眠をとると、夜勤前に3時間以上の睡眠をとるのと同等に夜勤後の疲労抑制効果を持つことがわかっています
その他の有効な対策
睡眠障害の要因としてストレスがあります
自分自身の経験からも仕事への不安や緊張などのストレスが大きい時は
- 夜勤前も眠れないし
- 夜勤中の仮眠もとれませんでした。
看護師として20年働いてきて個人的に有効だったことは
- 同僚や患者さんと良好なコミュニケーションをとる
- 地道に勉強して実力をつける
職場のストレスの原因の多くが人間関係なので、周囲の人と上手くコミュニケーションをとって、周囲の人から頼られる実力をつけることが、不安や緊張から解放される近道だと思います
また自分自身の心と体が疲れ切ってしまう前に
- 上司に相談する
- 診断書をとって休む
といったことも自分を守る一つの手段だと思います
まとめ
夜勤が開始となる新人看護師の皆さんへ
「夜勤の睡眠対策5つ」をお伝えしてきました
夜勤が始まって、不安や緊張で眠れずに、辛い経験をしている人に少しでも役立てばと思っています
最後まで読んで頂きありがとうございました
看護師の方へ誠意を持って書いていますが、あくまで個人的な体験と意見が含まれています
おとうさんナース
コメント