現在、回復期病棟で勤務する現役看護師です
これまで様々な病院の診療科で働いてきました
その中でも印象に残った場面を「看護師の体験談」としてお伝えしています
今回は脳外科病棟での体験談です
体験談 希死念慮のある患者さん
今回は最も怖い思いをしたエピソードです
Aさんは検査入院の30代女性でした
既往にうつ病がありました
病気の不安も重なり、希死念慮がとても強く出てしまっていました
精神科へ併診し、行動に移さないという約束の元、入院継続となりました
「死にたい気持ちはある」と発言していたことから、言動を注意深く観察していたました
ある夜勤の朝食後、内服薬をもって病室に行くとベッドにいませんでした
俄然嫌な予感がしました
嫌な予感は的中し、病棟を捜索してもいないことがわかりました
急いで病院中を捜索しました
一番上の階から階段で一つずつフロアーを捜索しました
すると8階の窓際にいるところを発見しました
よく見るとAさんの手にはドライバーが握られていました
Aさんが立っている横の窓を見ると、10㎝程度にしか開かないようになっているストッパーが壊されていました
Aさんを刺激しないように、できるだけ落ち着いた様子で話しかけました
Aさんはとくに慌てた様子も見せなかったので、病棟へ戻るよう促し二人で病棟へ戻りました
病棟へ戻るとAさんはソワソワし始めて、体も震わせ始めました
処置室で横に座り、できるだけ落ち着くように優しく話しかけましたが、私の言葉は耳に全く入っていない様子でした
震えはどんどん強くなっていき「なんで死なせてくれないの」と立ち上り、制止する私を押しのけて処置室を出ていこうとしました
当時新人の私はどう対応して良いかわかりませんでした
早く日勤者が来て欲しい、先輩や上司に替わって欲しいと心から願っていました
本当に長くて怖い時間でした
その後Aさんは、精神病院へ転院することになりました
以上が新人時代に経験した恐怖の体験談です
あとがき
今回お伝えした体験談は 「20年の看護師歴の中でも本当に怖かった」エピソードです
今回紹介する体験談は個人が特定できないよう一部脚色していますのでご了承ください
最後まで読んでいただきありがとうございました
おとうさんナース
脳外科患者さんは常に誤嚥や窒息のリスクがあることを心掛けましょう
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