【看護師 体験談】最後まで懸命に生きる

急性期への転職

現在、回復期病棟で勤務する現役看護師です

これまで様々な病院の診療科で働いてきました

その中でも印象に残った場面を「看護師の体験談」としてお伝えしています

今回は脳外科病棟での体験談です

体験談 死生観の変化

今回は自分の死生観が変化した体験談です

Aさんは70代の男性でした

長期療養の末、状態が悪化して入院となった方でした

AさんはJCS3桁で意思疎通はできず

点滴も維持液を最小限行っていました

とても家族から愛された方で、毎日のように妻・子供・孫たちがお見舞いにきていました

家族は反応がみられないAさんに話しかけ

「少し笑ってくれたんです」

「指を動かしてくれました」

とわずかな反応を喜んで私達にも伝えてくれました

私達もAさんが少しでもきれいな姿で家族を迎えられるように、顔や全身をきれいに清拭して、髪の毛もベッド上で洗髪し、歯を磨いたりしました

徐々にAさんの血圧は低下し、尿量も減少していきました

医師からは会わせたい親族などがいたら呼ぶように伝えられました

死線期呼吸もみられるようになり家族から

「お父さん苦しそうですけど大丈夫ですか」

といった質問も聞かれました

亡くなる前に出現する呼吸であり「意識レベルは落ちているため苦しさは感じていない」ことを伝えると家族はホッとした表情になっていました

また「聴覚は最後まで残っているため話しかけてあげてください」と伝えました

ついにAさんの呼吸が止まり医師より死亡が伝えられると、家族は泣き崩れ、Aさんを呼び続けていました

しばらく時間をおいて訪室し体をきれいにすることを伝え、「もし希望があれば一緒に体をふいたりしませんか」と伝えました

希望があった数人の家族とAさんの体を優しく拭きました

泣き崩れていた家族は落ち着きを取り戻し、体を拭きながらAさんに話しかけていました

家族にとってAさんの死を受け入れる大切な時間でした

きれいに整えられたAさんと家族を病院からお見送りしました

家族は何度も「本当にお世話になりました」と頭を下げられていました

このやり取りをAさんだけでなく、年間に何十人も行っていくことで私の死生観は大きく変化していきました

看護師になる前は「自分の考えを表現できなくなったら生きていても仕方がない」と考えていましたが「最後まで生き抜くことの大切さ」「家族に死に際を見せることの意味」を感じるようになりました

以上が新人の頃に経験したエピソードです

あとがき

今回お伝えした体験談は 「自分自身の死生観が変化した」エピソードです

今回紹介する体験談は個人が特定できないよう一部脚色していますのでご了承ください

最後まで読んでいただきありがとうございました

おとうさんナース

脳外科看護のコツ

部屋を間違える患者さんへの対応

  • トイレや病室にわかりやす目印をつけましょう
  • リボン、絵など目立つものが有効です
  • 病棟が許せば病室からトイレまでビニールテープで動線を引くのも有効です
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お父さんナース

脳外科患者さんは前頭葉症状や記憶障害から部屋を間違えることがあります

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