【看護師 体験談】気難しい患者さん

急性期への転職

現在、回復期病棟で勤務する現役看護師です

これまで様々な病院の診療科で働いてきました

その中でも印象に残った場面を「看護師の体験談」としてお伝えしています

今回は脳外科病棟での体験談です

気難しい患者さん

今回は気難しい患者さんとのエピソードです

Aさんは60代の男性患者さんで、気切して人工呼吸器を装着していました

発声はできませんが、意識はクリアでした

とても気難しい方で先輩は嫌がっていたため新人の私がよく部屋持ちをしていました

いつも決まった個室で入院されており、その部屋へ入るときは緊張しました

部屋はいつも整然と片付けられていました

訪室するとだいたい目をつぶっており、話しかけるとジロリとこちらを見る目つきや態度にとても威厳がありました

MMTは両上下肢とも1-2程度だったので、全介助の患者さんでした

日勤で受け持つと

  • 全身清拭
  • 陰部洗浄
  • 体位変換
  • 口腔ケア
  • 気切の管理
  • 吸引
  • 経管栄養
  • 胃管チューブの管理

がワンセットでもれなくついてきて、一つ一つの手技もじっと見つめられながら行うので、とても緊張しました

最初は新人なので手技もおぼつかず、痛みを与えてしまうと本当に怖い顔でにらまれました

そして怒られるのですが、気切をしてるので口パクなのですが、それでも本当に怖かったです

しかし毎日のように受け持つのでケアのコツもわかっていきました

最初はケア中ずっと見つめられていたのが、次第にAさんは目をつぶるようになりました

私の手技を安心して受けてもらえてると感じて嬉しくなりました

この時に覚えた看護技術は、患者さんへの負担を最小限に、かつ効果的に行うという視点でとても勉強になりました

また徐々に打ち解けていき、私が行くと笑顔で迎えてくれるようになりました

Aさんから認めてもらえている感じがして、嬉しかったことを覚えています

いろんな話ができるようになり、時には先輩看護師から怒られたことなど愚痴を言ってしまうこともありました

そんな時にはAさんは目をつぶって、じっと聞いてくれました

時にはうなずきながら、包み込むような穏やかな目で、こちらを見てくれることもありました

その3年後に肺炎で亡くなれました

Aさんから叱られながら覚えた手技は看護師としての貴重な財産です

以上が新人の頃に経験したエピソードです

あとがき

今回は「気難しい患者さん」のエピソードをお伝えしました

今回紹介する体験談は個人が特定できないよう一部脚色していますのでご了承ください

またすべてのケースについて述べたものではなく、あくまで個人的な意見ですのでご了承ください

最後まで読んでいただきありがとうございました

おとうさんナース

脳外科看護のコツ

転倒転落予防のコツ

  • 環境整備は重要です(ナースコール・抑制・ベッド柵・必要なものは手の届く位置に置く)
  • 失語症がある患者さんへのナースコール指導は口頭では難しい場合が多いです(実際にナースコールを押させ看護師がやってくることを目で見せたり、何度も繰り返すことで手続き記憶として覚えてもらうなども有効です)
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お父さんナース

STがいる場合は相談することも有効です

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