湿布の使い方を解説します
- 冷湿布と温湿布の使い分けを知りたい方
- 湿布以外で対応した方がよい場合
現在、回復期病棟で勤務する現役看護師です
回復期リハビリテーション看護を専門にお伝えしています
回復期病棟では湿布をよく使用します
整形疾患患者さんは受傷部位の痛みに、脳血管障害の患者さんもリハビリにより筋肉系の炎症に対して、いずれも疼痛時薬として使用します
湿布と言っても冷湿布・温湿布・テープ式と様々です
よく使用される薬剤だけに違いや注意点についても把握する必要があります
今回は新人看護師の方向けに「冷湿布・温湿布・テープ式の使い方」をお伝えします
記事の内容
1.湿布の選び方の目安
2.冷湿布と温湿布の特徴と注意点
3.テープ式(非ステロイド性抗炎症薬)の特徴と注意点
記事の信頼性
20年目の現役看護師で回復期・急性期・慢性期での勤務経験があります
以下の経験を踏まえてお伝えします
回復期、救命救急センター、脳外科、消化器内科・外科、循環器内科、心臓血管外科、内分泌代謝内科、心療内科、血液内科
読者の方へのメッセージ
新人の方にとって、湿布はたくさんの種類があるので迷ってしまうと思います
湿布の選び方や注意点について、できるだけ専門的な用語は使わず、わかりやすくお伝えしたいと思います
それでは詳しく見ていきましょう
湿布の選び方の目安
湿布の選び方の目安についてお伝えします
1.触って熱感(炎症)があれば冷湿布
(例)ぶつけたり、くじいて腫れている場合
2.触って熱感(炎症)がなければ温湿布
(例)慢性的で長引く腰痛、肩こりなど血流改善
3.痛みが強い場合は消炎・鎮痛効果の大きいであるテープ式(非ステロイド性抗炎症薬)を選びましょう
(例)ぎっくり腰など急性で強い痛み
湿布以外で対処するべきケースについては
痛みがとても強い場合(腫れや熱感が強い等)
湿布は痛みを和らげる効果はありますが、治す効果はないので整形外科医師に診察を依頼して、適切な治療を受けましょう
次にそれぞれの湿布の特徴と注意点についてみていきましょう
冷湿布と温湿布の特徴と注意点
冷湿布の特徴
1.冷感を与える成分(水分とメントール)
2.痛みを和らげる成分(消炎鎮痛)
実際に冷やす効果は薄いですが、爽快感を感じることができます
温湿布の特徴
1.唐辛子由来成分(カプサイシン)で温める効果があります
2.痛みを和らげる成分(消炎鎮痛)
実際に温める効果は薄いですが、血流をよくする効果があります
温感成分でかぶれやすいので、入浴30分前にははがすようにしましょう
結論…
痛みを和らげる成分は冷湿布も温湿布も同じなので
「貼って気持ち良い」湿布を選んでも大丈夫です
湿布全般の注意点
- はがす時間(数時間)を作りましょう
- はがした時に皮膚に発赤や炎症が起きていないか確認しましょう
- 湿疹や傷口がある所には貼らないようにしましょう
- 光過敏症がある湿布(モーラステープ等)もあるので処方された際は薬剤師へ確認しましょう
テープ式(非ステロイド性抗炎症薬)
新しいタイプの湿布です
ロキソニンテープやモーラステープといった商品が該当します
特徴
高い鎮痛と消炎効果があります
副作用として胃潰瘍・腎機能障害があります
非ステロイド性消炎鎮痛剤の湿布は効果がありますが、胃潰瘍や腎障害といった全身への作用があるので、用量・用法をしっかり確認しましょう
※NSAIDs(ロキソプロフェン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナク)と呼ばれる成分の種類があります
まとめ
今回は「湿布の選び方や注意点」についてお伝えしてきました
他にも「回復期病棟の新人看護師の皆さんの役に立つ」記事を紹介しているので興味のある方は見てみてください
疾患別の看護に関する記事
①脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血
急変時の対応に関する記事
①けいれん時の対応
【回復期リハ看護 急変対応】けいれん時の対応について現役看護師が解説
②脳梗塞・脳出血の再発時の対応
【回復期リハ看護 急変対応】脳梗塞・脳出血の再発について現役看護師が解説
③転倒転落時の対処方法
【回復期リハビリテーション看護】転倒転落時の対応について現役看護師が解説
④心停止の学習方法(BLS/ACLS/ICLS)の紹介
看護業務に関する記事
①メンバー業務
【回復期リハ看護】メンバー業務(情報収集・アセスメント・報告)のコツを解説
②リーダー業務
【回復期リハ看護 新人から3年目看護師必見!】リーダー業務を現役看護師が解説
③安全にADLを拡大する方法
【回復期リハ看護 新人看護師必見!】安全にADLを拡大する方法を現役看護師が解説
④看護計画立案
【回復期リハ看護 新人看護師必見!】看護計画を現役看護師がアドバイス
⑤FIM評価法
【回復期リハビリテーション看護】FIMについて現役看護師が解説
⑥排便コントロール
【回復期リハ 新人看護師必見】排便コントロールと便秘薬を現役看護師が解説
⑦カロナールとロキソニンの使用方法
⑧夜勤の睡眠対策
参考書・看護グッズに関する記事
新人看護師の方は初めてのことばかりで不安なこともあると思いますが、必ずできるようになるので少しずつ覚えて実施してみてください
皆さんの大切な体と心が健康で、楽しく働けるよう応援しています
最後まで読んで頂きありがとうございました
おとうさんナース
看護師の方に向けて誠意を持って書いていますが、あくまで一般的な対処方法をお伝えしています。個々のケースは主治医または薬剤師に確認をお願いします。
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