急変対応の勉強方法について解説します
- 急変対応に自信がない方
- 急変対応の勉強をしたい方
- BLS、ACLS、ICLSについて知りたい方
現在、回復期病棟で勤務する現役看護師です
回復期リハビリテーション看護を専門にお伝えしています
私が所属する病棟でも「急変対応を勉強したい」といった声は多く聞かれます
今回は「急変対応の学習」についてお伝えしたいと思います
記事の内容
1.急変対応の効果的な学習方法
2.BLSについて
3.ACLSについて
4.ICLSについて
5.「ACLSとICLSの違い」と「どちらを受講するべきか」
記事の信頼性
救命救急センター・脳外科・循環器病棟等の病棟で勤務経験があります
BLS・ACLS・ICLSも受講しているので、それらの経験を踏まえてお伝えします
それでは詳しく見ていきましょう
効果的な急変時の学習方法
急変対応の効果的な学習方法は
急変対応を「手順」として覚える
理由
急変の患者さんに直面して、冷静でいられる人はいないからです
急変時に冷静に判断することは困難なので、「決められた手順」(アルゴリズム)を実施できるように、知識と技術を繰り返し学習します
覚えるべき手順(アルゴリズム)は何かというと…
BLS・ACLS・ICLSです
つまりBLS・ACLS・ICLSを学ぶと急変対応の手順を学習することができます
ではそれぞれを詳しく見ていきましょう
BLSについて
BLSは心停止後の心肺蘇生の基礎を学習します
AHA(アメリカ心臓協会)公認のBLS講習会で学ぶことをおすすめします
理由はAHA公認のBLS・ACLSのインストラクターは指導者として質が高いからです
定期的にスキルを保つための学習をしているだけでなく、指導方法も学んでいるので質の高い講習が受けられ、学習効率が良くなります
形式
ほぼ一日をかけて実技メイン+座学を受けます
最後に実技試験と筆記試験があります
(再試験もあります)
内容
質の高い心肺蘇生を行うためのスキルを繰り返し実施します
内容の詳細が知りたい方は以下をご覧ください
講習会の事前準備
- BLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020準拠
- トレーニング用ポケットマスク(成人)※当日購入もできます
講習会での学びが深まるように「BLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020準拠」を、最低1回は目を通すことをおすすめします
講習会で使用する「BLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020準拠」を紹介するので検討してみてください
ACLSについて
ACLSはBLS後の対応について学習します
AHA(アメリカ心臓協会)公認のACLS講習会に参加しましょう
形式
2日間をかけて実技メイン+座学を受けます
(団体によっては1日コースを設けている場合もあります)
最後に実技試験と筆記試験があります
(再試験もあります)
内容
心停止、心拍再開直後、徐脈/頻拍、脳卒中、および急性冠症候群の知識・技術を繰り返し実施します
当日のメンバーでチームを作り、チーム内で役割を交代していきます
実際に除細動器を実施したり、薬物投与を指示するといった医師の役割も実施します
受講者は医師も参加しており、看護師は救急やICU所属の人が多く、全体的に学習のモチベーションの高い人が多いです
2日間で費用も4万円近くしますが、学びは十分に得られます
急変対応を学びたい方は、是非チャレンジすることをお勧めします
内容の詳細が知りたい方は以下をご覧ください
講習会の事前準備
1.BLSを復習しておきましょう
- BLSはできているものとして始まります
2.受講前自己評価(事前テスト)があります
- 内容は心電図判読や薬理学等です
- 70%の正答率が必要です
- 結果を印刷して持参します
準備物品
ACLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020準拠
講習会で使用する「ACLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020準拠」を紹介するので検討してみてください
ICLSについて
日本救急学会公認の心肺蘇生の講習です
形式
座学はほとんどなく、一日をかけて実技を行います
内容
突然の心停止に対して最初の10分間の適切なチーム蘇生を習得します
チームに分かれて実際に即したシミュレーション実習を繰り返し、蘇生のために必要な技術や蘇生現場でのチーム医療を身につけます。
より詳細を知りたい方は以下をみてみてください
日本救急医学会・ICLS/ICLSとは (icls-web.com)
「ACLSとICLSの違い」と「どちらを受講するべきか」
ACLSとICLSの違いは…
ACLSは「心停止、心拍再開直後、徐脈/頻拍、脳卒中、および急性冠症候群」の知識・技術を繰り返し学びます
ICLSは「心停止の最初の10分間のチーム蘇生」を徹底的に学ぶことにあります
どちらを受講するべきかと言うと…
初めて急変対応を学ぶ方はACLSの受講をおすすめします
理由
ACLSは心停止だけでなく、頻脈や徐脈に対する対応、急性冠症候群、急性虚血性脳卒中などを学習できるメリットがあるからです
ICLSは「心停止の最初の10分間のチーム蘇生」を徹底的に学ぶメリットはありますが、急変対応を初めて学ぶ方は全体を学習する必要があると考えます
まとめ
急変対応は知識・技術を繰り返し学ぶことで身に付けることができます
回復期の急変対応として以下の記事も参考になると思うので見てみてください
急変時の対応に関する記事
①けいれん時の対応
【回復期リハ看護 急変対応】けいれん時の対応について現役看護師が解説
②脳梗塞・脳出血の再発時の対応
【回復期リハ看護 急変対応】脳梗塞・脳出血の再発について現役看護師が解説
③転倒転落時の対処方法
最初は大変だと思いますが、努力は必ず成長につながります
一緒に頑張っていきましょう
最後まで読んで頂きありがとうございました
おとうさんナース
不明な点や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください
看護師の方に向けて誠意を持って書いていますが、個人的な体験と意見が含まれていることをご承知ください
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