- 実習ではいつも緊張しすぎてしまう
- 実習のことを考えると不安になる
- 実習で出来るだけ失敗しない方法を知りたい
看護学生のみなさん こんにちは
回復期病棟で勤務する現役看護師です
看護学生の指導をしていると「ちょっとしたコツ」をつかんだ瞬間に実習がスムーズに、上手くいくようになることが多くあります
今回は「看護学生が悩みやすい5つの場面と対処方法」についてお伝えしていきます
現在は回復期病棟で実習指導者をしていますが、急性期・慢性期の指導経験もあるので、看護実習全般に役立つ内容になっています
記事の内容
看護学生が実習で悩みやすい5つの場面と対処方法
- 行動計画
- 情報収集
- 患者さんとのコミュニケーション
- 看護師への報告
- カンファレンス
記事の信頼性
20年目の現役看護師で、回復期・急性期・慢性期で実習指導の経験があります
以下の診療科の経験を踏まえてお伝えします
読者の方へのメッセージ
私は学生時代、実習が苦手で、いつも緊張していました
この記事が、私と同じような思いをしている看護学生の方に少しでも役に立つとうれしいです
実習は本当に大変だと思いますが、皆さんの努力は看護師になった時に必ず役に立ちます
皆さんが看護師となり、自分らしく生き生きと働けることを心から応援しています
それでは詳しく見ていきましょう
場面1 行動目標・行動計画
まずは行動目標と行動計画から見ていきましょう
指導者から突っ込まれない行動目標と行動計画について見ていきましょう
良い行動目標と行動計画には患者さんの具体的な状況や状態が書かれています
3つの具体例を見ていきましょう
- 例① 突っ込まれる行動目標
- 例② 普通の行動目標
- 例③ 良い行動目標
行動目標・計画の具体例
例①:突っ込まれる行動目標
行動目標①「A氏とコミュニケーションをとる」
この行動目標は誰にでも当てはまり、患者さんがどういう状況かわかりません
具体的な行動計画も立てることができません
例②:普通の行動目標
行動目標②「A氏の術後の疼痛に配慮しながらコミュニケーションをとる」
術後の疼痛という状況が加わりました
この行動目標からは、疼痛へ配慮が行動計画として見えてきます
しかし、具体的にどんなコミュニケーションをとれば良いかは見えてきません
例③:良い行動目標
行動目標③「術後3日目で離床がすすまないA氏の疼痛に配慮しながらコミュニケーションをとる」
疼痛以外にも、術後3日目で離床がすすんでいないという状況が加わりました
この行動目標から、疼痛への配慮に加えて、離床をすすめるという具体的な行動計画がみえてきます
疼痛への配慮だけでなく、離床を阻害している要因を確認する必要性、さらに離床について患者さんがどう理解しているかなど具体的なコミュニケーションの内容がみえてきます
【看護学生必見 回復期病棟実習】行動計画のコツを実習指導者が解説では回復期病棟での行動目標や行動計画の様々な悩みについて解説しているので興味のある方は見てみてください
場面2 情報収集
看護学生の方が実習で悩むことの一つに情報収集があります
カルテから情報収集する場合、患者さんから情報収集する場合も、まずは疾患に関することから優先して情報収集しましょう
カルテからの情報収集
まずは皆さんの学校の書式に沿ってカルテからどんどん情報収集しましょう
カルテにないことは「患者さん」と「実習指導者」に聞くと良いのでメモなどに書き出しておきましょう
優先順位として疾患に関することから情報収集していきましょう
患者さんからの情報収集
患者さんからも疾患に関係することを優先して聞きましょう
メモをとることを忘れずに
精神面と社会面は内容によっては、デリケートな質問になります
ある程度、信頼関係ができてからの方が無難です
聞くときは「立ち入ったことを聞いて申し訳ありませんが・・・」という枕言葉をつけると良いです
実習指導者からの情報収集
カルテにもなくて、患者さんにも聞きにくいことは実習指導者に聞きましょう
例えば
- 治療方針・退院予定
- 家族との関係性
- 歩行や認知の客観的な能力
- 自宅の状況・経済的状況
プライマリーナース、主治医、SW、リハビリ技師などわかる人に聞いてくれます
【看護学生必見 回復期病棟実習】情報収集のコツを実習指導者が解説では回復期病棟の実習に特化した内容になっているので興味のある方は見てみてください
場面3 患者さんとのコミュニケーション
患者さんとのコミュニケーションで悩む人も多いと思います
患者さんのコミュニケーションで一番大切なことは人として尊重して接することです
- 普通に丁寧な言葉で話す
- 普通に失礼なことは言わない
- 「ありがとうございます」と素直に感謝を口にする
- 謝るべきときは「申し訳ありません」と素直に謝る
患者さんは治療を受けている普通の人です
普通に尊重して接していて、もし機嫌を損ねたら、素直に謝ればいいのです
そうは言っても患者さんとのコミュニケーションに困ったときの対処方法をお伝えします
実習指導者に素直に相談する
まずはこれが最優先です
- 基本的に実習指導者が患者さんに、実習のお願いをします
- つまり実習でお世話になる患者さんは、実習指導者が頼みやすい患者さんだということです
- 頼みやすいということは、実習指導者と患者さんの関係性が良いということです
実習指導者に素直に困っていると伝えましょう
- 患者さんとのコミュニケーションの取り方のヒントをくれます
- ベッドサイドについて行って一緒に話をしてくれます
実習指導者は看護学生の方の実習が上手くいくようにサポートしたいと思っています
是非相談してみてください
場面4 看護師への報告
実習で緊張する場面の一つに看護師への報告があります
報告で大切なことは、「急ぎの報告」と「急がない報告」を理解して報告することです
今回は「急ぎの報告」と「急がない報告」の具体例をお伝えします
急ぎの報告
これらはすぐに報告する必要があります
急ぎの報告の手順
手順1
「学生の〇〇です。急ぎの報告があります」と切り出しましょう
その他の余計なことは不要です
急ぎの報告があると伝えることが最重要です
手順2
状況を簡潔に伝えましょう
ここもその他の余計なことは不要です
患者さんに変化が起きている、患者さんからの訴えがあると簡潔に伝えることが大切です
手順3
「対応をお願いします」と依頼しましょう
急ぎの報告ではシンプルに対応を依頼しましょう
急ぎの場面は看護師が対応するべき事です
看護学生の皆さんは報告と依頼ができれば十分です
急がない報告
昼休憩前、ケア終了後、実習終了時など決まった時間の報告が多いと思います
準備する時間があるのでメモを活用して報告する内容をまとめておきましょう
急がない報告の手順:(例)慢性硬膜下血腫術後2日目のAさん
手順1:要件を簡潔に伝える
「学生の〇〇です 報告してもよいですか」
シンプルで大丈夫です
もし指導者や部屋持ち看護師が忙しいようであれば、「今忙しくて無理だから、あとでいい?」と言われます
もし急ぐ報告であれば「急ぎの報告の手順」を見てください
手順2:患者さんの状況を簡潔に伝える
「〇号室のAさんを受け持っている学生の〇〇です」
「午前中の報告をします」
「〇時にバイタルサイン測定をしました」
体温、血圧、脈拍、呼吸数、SpO2の値を伝える
その他観察項目(JCS、MMT、瞳孔、創部など)についても伝える
手順3:患者さんの背景(疾患や治療など)を伝える
「Aさんは慢性硬膜下血腫の尖頭術後2日目です」
手順4:アセスメントを伝える
バイタルサインは正常です
JCS、MMT、瞳孔から神経学的所見の異常はみられません
創部もトラブルはありません
以上のことから術後2日目のAさんは、術後出血や創部のトラブルもなく順調な回復をしていると考えられます
引き続きバイタルサイン、神経学的所見、創部の観察を行っていきます
手順5:提案する(あればで)
昨日の夜はAさんが眠れなかったと訴えていたので、これから足浴をやっても良いでしょうか
場面5 カンファレンスのやり方
カンファレンスを成功させるには準備が大切です
いきなりぶっつけ本番でやってもなかなかうまくいきません
まずはどのようにカンファレンスを準備するかみていきましょう
カンファレンスの準備
手順1
議題を決める
- 困っていること・悩んでいること(これがおすすめです)
- 学校から指定されている議題
- メンバー同士で共有した方がよいこと
手順2
役割を決める
- 司会者
- 書記
- 議題・事例の提供者
手順3
教員・指導者と時間や場所の調整をする
手順4
メンバーにカンファレンスの議題・時間・場所を周知する
時間厳守です
手順5
司会者:話し合いの展開と話の着地点を考えておく
- 昼休憩の時に司会者はメンバーの意見をある程度聞いておく
- 司会者も自分なりの考えを準備しておく
自分の意見をはっきり持ち、メンバーの意見のメリットとデメリットを考えておくと、司会をうまく回せたり、深い話し合いになりやすくなります
事例提供者:事例を準備する
- 議題・目的・内容をわかりやすくまとめる
- 必要であれば資料を準備する
カンファレンスの進行方法
手順1
議題・目的・時間配分を伝える
司会者が伝えます
手順2
事例提供者が議題・目的・内容を簡潔に伝える
資料を準備しておくと便利です
手順3
手順4
司会者が話し合いをまとめます
- 事例提供者はカンファレンスの学びと今後にどう活かすか意見を述べます
完璧な答えは必要ありません
学生として精一杯考えて、自分なりの意見を伝えることが大切です
手順5
教員と指導者に意見を求めます
まとめ
私も20年近く前は看護学生でした
実習は苦手というより、むしろ嫌いでした
実習の雰囲気も嫌いで、教員も、指導者も、病棟のスタッフもなんだか怖かった印象しかありません
今考えると私は「自分の実習が上手くいくこと」ばかり考えていました
もし私と同じように実習が苦手、嫌いという方がいたら「自分の実習のためでなく、患者さんのための看護をする」ことを心掛けてみてください
きっと看護の楽しさを感じることができます
できる範囲でよいので少しずつ頑張ってください
きっとうまくいきます。応援しています
最後まで読んで頂きありがとうございます
おとうさんナース
看護学生の方に向けて誠意を持って書いていますが、個人的な体験と意見が含まれていることをご承知ください
コメント
Thanks again!